きみの名は

昔むかしは自分の名を名乗ることがとても重要な意をもったと認識していた。

私はこの水に浸る糸
一瞬で染め上がる

その速さ
その浸透は自分でも驚く

この水に濡れると決めて
この世に戻ってきたとおもふ

自分のこのよごれ
もうとれないんじゃなかろうかと
あせるとき
ここにきたいみをおもひおこす

金も色も力も光も
わたしには邪魔になりえる

ここに来ると決めたわたしに悪い

ここを知らなければ
ここを身を持って感じなければ
この身体に入れて
ともに考えなければ

こたえはつくれない